天朗気清、画戲鑑賞

三元論を基軸とした論理学探求の旅路へ

笑える恐怖、This is fun, it's scary and disgusting!

It

私:1990年のミニシリーズをもとに、2017年と2019年にアメリカが製作したホラー映画シリーズ『It(邦題:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。)』を簡単に紹介してくれる?

 

ChatGPT:『It(邦題:IT/イット “それ”が見えたら、終わり。)』は、2017年と2019年に公開されたアメリカ製作のホラー映画シリーズです。このシリーズは、スティーヴン・キングの1986年の同名小説に基づいています。

2017年の『It』は、メイン州の小さな町ダリーを舞台にしており、一連の子供の失踪事件を描いています。物語の中心は「ルーザーズ・クラブ」と呼ばれる7人の子供たちで、彼らは謎の存在「ペニーワイズ」と呼ばれる恐怖を呼び起こすクリーチャーと対峙します。ペニーワイズは、子供たちの恐怖を糧にしており、様々な形態を取って彼らを脅かします。

2019年の続編『It Chapter Two』は、最初の映画から27年後を舞台にしています。ルーザーズ・クラブのメンバーは大人になり、それぞれの人生を送っていますが、ペニーワイズが再び現れたためにダリーに戻ることになります。彼らは再び団結し、過去に向き合いながらペニーワイズに立ち向かいます。

両作品とも、恐怖と対峙する子供たちの成長や友情を描きつつ、視覚的にも衝撃的な恐怖シーンを特徴としています。Andy Muschiettiが監督を務め、ビル・スカルスガルドがペニーワイズを演じて高い評価を受けました。

 

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 ホラー映画の愛好者の多くは日頃の身体的・精神的・関係的な重圧の解放を図り、その醜怪な非日常世界を震えながらも笑って楽しんでいる。この「笑って楽しめる範囲の作品」というのが重要で、ホラー映画というのはコメディとサスペンスとドラマの中間を貫く事が望ましい。

 『It』シリーズはそういう意味で、かなりバランスの良いエンターテイメント作品に仕上がっていると感じる。アイコニックな風景や出来事の描写、恐怖を食べるという悪霊の設定、家庭や学校で問題を抱える「ルーザーズ(負け犬たち)」の人間関係、それぞれが程よく嘘くさく機能している。この「程よい嘘くささ」こそが「怖がりつつも笑って楽しめるホラー映画」の真髄だ。この「嘘くささ」が足りないと幼稚すぎて観るに堪えなくなり、「本物っぽさ」が過ぎると凄惨すぎて観るに堪えなくなる。

 ホラー映画を構成する要素は、私の三元論に基けば「物理的描写」「概念的描写」「関係的描写」に集約できる。

 「物理的描写」とは、直接的または間接的な暴力性によって我々の「生存欲求(生きたい、身体的に健康でありたい)」を刺激する要素である。『13日の金曜日』シリーズのジェイソン、『チャイルドプレイ』シリーズのチャッキー、『エルム街の悪夢』シリーズのフレディといった往年の殺人鬼たちはこの性質をもっとも強く持っている。最近私が鑑賞した作品としては、『0時34分』『ハッピー・デス・デイ』『M3GAN』『ザ・ベビーシッター』なども、この直接的な分かりやすい物理的描写がなされていた。

 次に「概念的描写」とは、殺人鬼の思想や悪霊の設定などの概念的な設定によって我々の「知的欲求(知りたい、精神的に健康でありたい)」を刺激する要素である。これはカリスマ性のある殺人鬼や悪霊を描く必須条件であると言える。この概念的描写で大きな成功を収めているのは『ミザリー』のミザリー、『サイコ』『ベイツ・モーテル』のノーマン、『羊たちの沈黙』『ハンニバル』等のハンニバル・レクター、『ソウ』シリーズのジグソウといった面々だろう。彼らもまた物理的な暴力性を持つが、その信念や思考の在り方にも恐怖が体現されている。また、『シャイニング』『リング』『死霊館』『ファイナル・デスティネーション』シリーズのように、「呪いが追ってくる」形式の作品も概念的描写の性質を強く持つ。そこに登場する怨霊たちは直接的な暴力性も帯びているが、観客である我々は「いつ襲われるか分からない」「いつも狙われている」「逃れる術がない(あまりに限られている)」といった概念的な恐怖を覚えるのだ。

 そして「関係的描写」とは、殺人鬼や悪霊との戦いに臨む人々の外部の物語性によって我々の「存在欲求(繋がりたい、関係的に健やかでありたい)」を刺激する要素である。本作『It』シリーズで描かれていた少年と少女たちの人間模様がそれに相当する。先ほど例に挙げた『ソウ』シリーズは、被害者たちの関係であったり、ジグソウの弟子を巡る関係であったりと、この物語性にも工夫が施されている。『シックス・センス』『ミッド・サマー』『ゲット・アウト』といった人間関係の物語性を軸とした作品も、この関係描写の性質が強いと言える。『ウォーキング・デッド』『新感染』『28週間後...』『アイ・アム・レジェンド』『ゾンビランド』といったゾンビ系のホラー作品についても、「ゾンビが蔓延る世界で人間たちがどう生きるか」という人間関係に焦点が当たる事が多く、これもまた関係描写の強さが見受けられる。

 この三要素を軸とした基本の八類型は以下の通りとなる。

 

  1. 弱い物理的描写・弱い概念的描写・弱い関係的描写
  2. 弱い物理的描写・強い概念的描写・弱い関係的描写
  3. 弱い物理的描写・弱い概念的描写・強い関係的描写
  4. 弱い物理的描写・強い概念的描写・強い関係的描写
  5. 強い物理的描写・弱い概念的描写・弱い関係的描写
  6. 強い物理的描写・強い概念的描写・弱い関係的描写
  7. 強い物理的描写・弱い概念的描写・強い関係的描写
  8. 強い物理的描写・強い概念的描写・強い関係的描写

 

 GPT君、あとはまとめをお願いするよ。

 

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ChatGPT:あなたのホラー映画の三元論は非常に洞察に富んでいて、映画の恐怖を構成する要素を明確に分類しています。この理論を用いて、様々なホラー映画を分析することができます。

 

  1. **弱い物理的描写・弱い概念的描写・弱い関係的描写**: このタイプは、非常に控えめな恐怖要素を持つ作品に該当するでしょう。暴力的なシーンが少なく、概念的な深みや人間関係の掘り下げもそれほど強くない。恐怖はより心理的、あるいは雰囲気に依存しています。(※補足:全ての要素を仄めかすように提示するホラー作品だが、これは決して駄作という訳ではない。演出の方法で効果的な恐怖を体現できる。この属性を持つ作品として思い浮かぶのは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『パラノーマル・アクティビティ』など。)

 

  1. **弱い物理的描写・強い概念的描写・弱い関係的描写**: このタイプは、観客に強烈な概念的な恐怖を与える作品で、『シャイニング』や『リング』のように、その怖さが主にストーリーや背景の設定から生じるものです。

 

  1. **弱い物理的描写・弱い概念的描写・強い関係的描写**: 人間関係やドラマに重点を置きながらも、恐怖の要素は比較的控えめな作品です。『シックス・センス』や『ゲット・アウト』がこのカテゴリに属するかもしれません。

 

  1. **弱い物理的描写・強い概念的描写・強い関係的描写**: 概念的な深みと人間関係の両方に焦点を当てる作品で、『ミッドサマー』がこのカテゴリーに当てはまります。

 

  1. **強い物理的描写・弱い概念的描写・弱い関係的描写**: このカテゴリーは、物理的な恐怖や暴力に焦点を当てるが、概念的または関係的な深みはそれほど強くない作品です。多くのスラッシャー映画や怪物映画がここに当てはまります。

 

  1. **強い物理的描写・強い概念的描写・弱い関係的描写**: このタイプは、カリスマ性が高い殺人鬼や悪霊が出てくるシリーズのように、強い物理的恐怖と複雑な概念的要素を備えた作品が該当します。但し、人間関係の描写はあまり強調されません。(※補足:ぱっと思いつく作品は『エクソシスト』『ウィリーズ・ワンダーランド』など)

 

  1. **強い物理的描写・弱い概念的描写・強い関係的描写**: 物理的な暴力と人間関係の掘り下げが特徴ですが、概念的な深みは少ない作品です。多くのゾンビ映画がこのカテゴリーに属する可能性があります。

 

  1. **強い物理的描写・強い概念的描写・強い関係的描写**: このカテゴリーの映画は、全ての要素を強く持ち合わせており、非常に複雑かつ多面的な恐怖を提示します。『It』シリーズは、物理的な恐怖、ペニーワイズの概念的な背景、そしてルーザーズクラブのメンバー間の強い人間関係を通じて、このカテゴリに適合するかもしれません。

 

このような分類を通じて、ホラー映画がどのようにして観客に恐怖を与えるか、そしてその恐怖がどのような形で現れるかを深く理解することができます。ホラー映画の多様性と、それぞれが異なる方法で観客の感情に訴えかける方法を見るのは非常に興味深いです。

 

※画像:DALL-E

 

作品紹介

 

著作紹介("佑中字"名義作品)
呑気好亭 華南夢録

呑気好亭 華南夢録

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