天朗気清、画戲鑑賞

三元論を基軸とした論理学探求の旅路へ

悪魔と踊ると、悪魔になる

8mm

私:1999年のアメリカのサスペンス映画『8mm』を簡単に紹介してくれる?

 

ChatGPT:1999年に公開されたアメリカのサスペンス映画『8mm(エイト・ミリメーター)』は、ジョエル・シュマッカーが監督し、ニコラス・ケイジが主演を務めています。この映画は、スネッフ映画(疑似殺人や実際の殺人を描いた映画)を追跡するプライベート・ディテクティブの物語を描いています。

 

物語の中心には、トム・ウェルズ(ニコラス・ケイジ)というディテクティブがいます。彼は、ある裕福な未亡人から、故人の夫の秘密の金庫から発見された、若い女性が殺される様子を描いた8mmフィルムの真実を探るよう依頼されます。トムはこの謎を解き明かすために、スネッフ映画の暗い世界に足を踏み入れます。その過程で、彼はさまざまな危険や倫理的なジレンマに直面し、最終的には彼自身の道徳と正義についての考えを問い直すことになります。

 

『8mm』は、その生々しい内容とダークな雰囲気で知られており、観客に強烈な印象を与える作品となっています。ニコラス・ケイジの演技も高く評価され、サスペンス映画としての緊張感と深みのあるストーリーテリングが特徴です。

 

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 サスペンス映画の金字塔である映画『セブン』の脚本家アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー、そして同じく同映画の監督でサスペンスの巨匠デヴィッド・フィンチャー監督が関わる傑作……になるかもしれなかった超絶B級映画。制作陣が定まらず混乱を極めた末に誕生した、物語も映像も音楽もただ汚いだけで退屈な作品だ。しかし、「ニコラス・ケイジが登場するB級ホラー映画」として鑑賞するなら価値がある。

 もう1点、単純ではあるが明確に現代社会の権力構造にも突き刺さる論理が登場していて、それについては評価を送りたい。それはニコラス・ケイジが演じる主人公の私立探偵トムが、ホアキン・フェニックス演じる才能ある青年マックス・カリフォルニアから示される次の言葉だ。

 

"If you dance with the devil, the devil don't change. The devil changes you."

「あんたが悪魔と踊るなら、悪魔は変わらない。悪魔があんたを変えるんだ。」

 

金銭と肩書きと欲望は大きな力になるが、その力は肥大する程に新鮮味を失って腐敗をしていく。しかし、腐っても鯛。その力が腐敗していたとしても、やはりそれは力であって、力の無い者にとってはそれが魅惑的なのだ。時として、美しい輝きを持った者が自らの成功の近道を求め、悪魔の力に身を委ねてしまう。するといつしかその者は美しさを失い、悪魔そのものとなる。

 

指輪物語』『スパイダーマン』といった名作にも登場する、大いなる力に惑わされるなという端的な教訓。この国でも至る所で腐敗臭のする大きな力が無尽蔵にある。彼らの踊りの行脚は地獄へ続いている。一庶民として、鼻で笑いながら彼らの腐った踊りを天上から見させてもらおう。

 

悪魔の囁きに耳を傾けることなかれ。どれだけの金銭、肩書き、欲望を積まれても、悪魔と踊ってはならない。もし既に踊っている最中の者がいたら、すぐにその場から離れるべきだ。その踊りの末路は必ず悲劇となる。

 

※画像:DALL-E

 

作品紹介

 

著作紹介("佑中字"名義作品)
呑気好亭 華南夢録

呑気好亭 華南夢録

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