天朗気清、画戲鑑賞

三元論を基軸とした論理学探求の旅路へ

猫は偉大である

Nine Months

私:1995年の映画「Nine Months(邦題:9か月)」を簡単に紹介してくれる?

 

ChatGPT:1995年の映画「Nine Months」は、クリス・コロンバスが監督し、ヒュー・グラントジュリアン・ムーアが主演を務めたロマンティックコメディです。この映画は、子どもがいないことに満足しているカップルの人生が、予期せぬ妊娠によって一変する様子を描いています。

 

ヒュー・グラントは、自由奔放な子ども嫌いのサミュエル・フォークナーという役を演じ、ジュリアン・ムーアは彼の長年の恋人であるレベッカ・テイラーを演じます。レベッカの妊娠は、サミュエルの快適な生活と未熟な性格に大きな挑戦をもたらし、二人の関係にも試練をもたらします。

 

映画は、サミュエルが父親になることへの恐怖と責任感、そして彼とレベッカの関係の変化をユーモラスに描いています。サポートキャストには、トム・アーノルド、ジョーン・キューザックジェフ・ゴールドブラムロビン・ウィリアムズらが名を連ね、彼らの演技も物語に彩りを加えています。

 

「Nine Months」は、家族の絆、成長の重要性、そして人生の予期せぬ変化に対処することの大切さを描いた心温まる作品です。

 

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- Well, you must get rid of it.(ほら、あなたは何とかしなきゃいかん。)

- What?(あぁ?)

- The cats. they spread the disease. Yeah, with the small worms. Small worms, yeah, in the──In the poop.(猫だよ。あれは病気を広める。そう、小さな虫を通じて。小さな虫、そう、それがほらアノの中に…ウンチの中に…)

- Toxoplasmosis. (トキソプラズマ症ね。)

- Toxoplasmosis. Thank you!(トキソプラズマ!それそれ、アンガト!)

 

 この台詞はロシアからアメリカに来たばかりの怪しげな産婦人科医を演じるロビン・ウィリアムズが、夫婦に猫の危険性を面白おかしく伝授する場面だ。この会話後、妊婦のレベッカはパートナーのサミュエルに高級車を売って大衆車を買う事、そして彼が16年飼っている猫を手放すようお願いをする。家族を持つ事に責任を持てないと感じていた彼は、そこで取り乱してして「そんな事はごめんだ!車も猫も捨てない!」と言い放ち、それが決定打となって関係に亀裂が入ってしまう。

 「この生き物はこの世で最も偉大で愛するべき存在なのだ!冗談ではない!」というルイス・リット(俳優リック・ホフマンが演じる法廷ドラマ『Suits』に登場する猫好きの弁護士)の声が聞こえて来そうな場面だ。このコメディ映画『9か月』は基本的に男性の幼さや責任感の無さを女性側が揶揄する内容となっているので、描かれ方としては車と猫を捨てられないサミュエルが問題であるという構成になっている。ただ、愛猫を捨てろと迫る恋人に人情が無いと感じる人も多いだろう。

 ただし、レベッカが感じた恐怖は合理的だ。トキソプラズマ症は、トキソプラズマ・ゴンディという寄生虫によって引き起こされる感染症であり、人間は猫の糞便に直接触れるか、汚染された食品や水を摂取する事により感染する。健康な人間であれば感染しても全く問題は無いが、免疫系が弱っている者や妊婦にとっては深刻な健康害を引き起こす可能性がある。特に妊婦の場合は胎児の目や脳、肝機能に障害をもたらす危険がある為、予防が重要となる。一定の治療法があり母子感染率も低めだが、当然ながら注意をするべきだ。

 ドイツ作家ゲーテは『若きウェルテルの悩み』において「争いの大半は誤解から生じているのだ」と書いている。実際、この映画で巻き起こるほとんど全ての騒動はパートナー同士が本心を語り合わず誤解し合っている事がから生じている。誤解と争いは恋愛コメディ物の基本形で、それが常に誇張気味に表現されているのは当然であるが、それが現実世界でも往々にして生じているという点も忘れてはならない。国家でさえ、長年パートナー関係にあったにも関わらず対話と理解が不足した結果、戦争に陥る事がある。

 古代ギリシャソクラテス夫妻の対立から鑑みても、男と女という生命体同士が分かり合えないのは十分に理解できる所だ。しかし、それでもお互いが妥協できる地点を対話を通じて探り合う事を怠ってはならない。この映画における車と猫の問題も対話と理解が行われていれば大きな衝突には発展しなかった。サミュエルは高所得者なのだから娯楽用の高級車とは別に、日常用の大衆車をもう一台購入したって別に問題はない。猫は妊娠期間中、親族に預ければ良い。実に簡単な解決法だ。

 ところで先日鑑賞したSF映画2300年未来への旅』では、最終場面で"ランドルー(スタートレックに登場する社会統制型の人工知能)"として機能していた機械が脈絡なく自爆し、機械に管理されていた若者たちが解放されるという終幕を迎えている。これは主人公の矛盾した受け答えに人工知能が対応しきれなかったという解釈がなされているが、私はトキソプラズマに関係していると勝手に解釈をしている。主人公のローガンらはこの直前、ドーム都市の外で暮らしていた生身の老人と接している。この老人は猫に囲まれて生活をしていた。この接触時点でローガンらがトキソプラズマに感染し、ドーム都市に持ち込んだのだ。人工知能を制御する装置内部にその菌が入り込み、精巧な機構に何らかの致命的な変異を与えたのである。あの映画の終幕は『宇宙戦争』方式だったに違いない。

 つまるところ、猫が人類を救ったのである。猫は偉大である。ただし、飼育には十分な注意が必要である。

 

※画像:DALL-E

 

作品紹介

 

著作紹介("佑中字"名義作品)
呑気好亭 華南夢録

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