天朗気清、画戲鑑賞

三元論を基軸とした論理学探求の旅路へ

【機胡録(水滸伝+α)制作メモ ex01】洪信

洪信

※補足1:生成画像は全てDALL-E(Ver.4o)を利用している。

※補足2:メモ情報は百度百科及び中国の関連文献等を整理したものである。

※補足3:主要な固有名詞は日本訓読みと中国拼音を各箇所に当てている。

 

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水滸伝水滸伝/shuǐ hǔ zhuàn)』の概要とあらすじ:中国の明王朝の時代に編纂された、宋王朝の時代を題材とした歴史エンターテイメント物語。政治腐敗によって疲弊した社会の中で、様々な才能・良識・美徳を有する英傑たちが数奇な運命に導かれながら続々と梁山泊(りょうざんぱく/liáng shān bó:山東省西部)に結集。この集団が各地の勢力と対峙しながら、やがて宋江(そうこう/sòng jiāng)を指導者とした108名の頭目を主軸とする数万人規模の勢力へと成長。宋王朝との衝突後に招安(しょうあん/zhāo ān:罪の帳消しと王朝軍への帰属)を受けた後、国内の反乱分子や国外の異民族の制圧に繰り出す。『水滸伝』は一種の悲劇性を帯びた物語として幕を閉じる。物語が爆発的な人気を博した事から、別の作者による様々な続編も製作された。例えば、『水滸後伝(すいここうでん/shuǐ hǔ hòu zhuàn)』は梁山泊軍の生存者に焦点を当てた快刀乱麻の活劇を、『蕩寇志(とうこうし/dàng kòu zhì)』は朝廷側に焦点を当てた梁山泊軍壊滅の悲劇を描いた。

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洪信(こうしん/hóng xìn)

<三元論に基づく個性判定>

29番 **強い生存欲求**、**とても弱い知的欲求**、**とても強い存在欲求** - **「人懐っこい実践家」** - 他者との親密な関係を築きながら、実際の活動に力を注ぐ。

 

<概要>

水滸伝』第1回の主人公と言うべき人物であり、その後の物語には一才登場はしないものの、物語設定上の存在感は大きい。北宋の仁宗治世における嘉祐年間において、彼は殿前の太尉(軍最高司令官:但し当時は名目ばかりの肩書き)であった。仁宗の命により江西省信州の龍虎山へ向かい、国内に蔓延する疫病問題の解決任務を遂行した。龍虎山の上清宮では住持(道教の指導者)の張真人(道教の長)の案内によって天師を探した。その後、彼は「伏魔之殿」に到着。張真人はその場所が大唐時代の洞玄国師が妖魔を封じ込めた場所だと言い、開けることを拒んだ。しかし、洪信は興味本位に権力を振りかざし、強制的に殿を開けさせてしまった。その結果、殿内の三十六天罡星と七十二地煞星、計百八の魔力を持つ星が解放されていまった。この星を胎児期に宿した人物が、後の水滸の百八好漢(108人の英傑)となった。

 

<三元論に基づく特殊技能>

なし

 

<人物評価>

洪信(こうしん/hóng xìn)の身勝手な言動は、『水滸伝』本編に登場する悪辣な奸臣である「高俅(こうきゅう/Gāo Qiú)」「蔡京(さいけい/cài jīng)」「童貫(どうかん/tóng guàn)」「楊戩(ようせん/yáng jiǎn)」を彷彿とさせる。彼らの前奏とでも言うような奸臣小人(小人:孔子が説いた才能・良識・美徳を持たない理想からもっとも遠い人間の事、「君子」とは真逆の人物)と言える。洪信自身が災いをもたらさなくとも、洪信のような者が災いをもたらすのは避けられないという不条理な法則性を描いている。尚、高俅・蔡京・童貫・楊戩は実在の人物。通称「四姦」。仁宗が国を治めていた頃に朝廷を私物化した最低の政治家として名を刻んでいる。

 

※画像:DALL-E

 

作品紹介

 

著作紹介("佑中字"名義作品)
呑気好亭 華南夢録

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